一 伝へて習ふ古の 聖の道のゆかしさよ 若人の夢清くして 道永久に新なり 伝習館の学徒われ
二 真理を探り美を追へる 若人世々にあと絶えで 道を求めて慕ひ寄る 遠近の友二千人 伝習館の学徒われ
三 有明の海むらさきに 雲仙かすむさみどりの 柳川の地の城内に 夏校庭の夾竹挑 伝習館の学徒われ
四 秋筑後路の枦紅葉 風情は似たりわが同朋の 学びに燃ゆる志 げに南国の血ぞ熱き 伝習館の学徒われ
五 花たちばなのかげに伏し カはうちに養へば 鳴かず飛ばざる三年経て 雄飛を誓ふ者や誰 伝習館の学徒われ
一 白雲なびく雲仙の 山崇高の精をとり 蛟竜ひそむ有明の 海雄大の気をうけて ここ清境の学び舎に 齢は移る幾春秋
二 花橘のその蔭に 融和の泉湧き返り 希望に燃ゆる若人が 自然の精気身に受けて 向上の主義自治の精 かざして進む我が理想
(中略)
六 ああ筑紫野の朝ぼらけ 岸辺に立ちて我呼べば 混沌の雲影失せて 昇る朝日に血は躍り 平和歓喜の色みちて 豪気天地に溢るかな
一 水の郷 水の郷 わが柳河の 葦の葉の さやけき響 そのみどり そよげ 光よ涼風よ 思へ 朗らに新らしく 見よ さやさやしこの歩み 処女 処女 水の処女 吾等若し
二 水の郷 水の郷 わが産土のたちばなの ましろき蕾 その芽立ち 匂へ 南の星の座に まもれ 心に香はしく 世にすがすがしこの誠 処女 処女 星の処女 吾等正し
三 水の郷 水の郷 我が学び舎の青柳の ゆかしき姿 その撓り 立てよ 霞にほのぼのと 秘めよ カを根に強く また夢みましこの母校 処女 処女 春の処女 吾等優し